えごま油の素朴な疑問・質問 Q&A (20) [健康と食習慣]

えごま油は、ジュウネンともいうそうですね。田舎では昔から、10年は長寿が叶う油と呼ばれていると聞いています。効能を教えて下さい。】(東京都葛飾区 男性Tさん)


[ひらめき]

えごま油は、東北地方や岐阜や長野県の一部地域では、昔から別名「ジュウネン」と一般に呼ばれるそうです。
質問者のご指摘のとおり「食べると十年長生きできる」という謂われが、名前の由来だといわれています。

「十念」と漢字表記するそうですが、仏教用語では「十念」は「南無阿弥陀仏」と阿弥陀仏の御名を十回唱える作法のことで、極楽浄土に往生できる、と説かれており浄土教義では重要とされているのだそうです。
民俗的に仏教との関係を調べるまでは至っていませんが、何らかの関係は見いだされると思います。


えごま油は、日本列島では縄文時代中期の長野県荒神山遺跡などからも種子の化石が見つかっており、食用の歴史は古いのですが、原産地の中国・雲南省高地から中国、朝鮮半島を経て栽培法が伝わったと考えられています。

東北地方や長野や岐阜県といった山間地では、えごまの実(種子)は比較的小粒ですが表面を固い皮が覆っており、これを石臼で挽いた粉、搾った油は貴重な栄養素を含む食物と認識されていました。
「畑の青魚」とは、えごまの実のことを指しますが、山間地域では新鮮な海魚などは流通しにくかったことから、内陸部ではえごまの実(種子)を栄養価が近いことでそう呼んだのです。
大豆が「畑のお肉」と呼ばれた様に、古来より日本人はその高い栄養価を的確に理解していたことになります。


話は少し逸れますが、このえごま油と共に、古くから日本で栽培されていたのが麻の実です。邪馬台国の遺跡ではないかと推測される奈良県の纏向(まきむく)遺跡からは、食材としての様々な動植物の骨や種子類が発見されていますが、その中にも大麻の実が含まれていました。

古くは、日本列島でも、えごまの実と共に大麻の実は栄養価の高い貴重な食物でした。また、大麻の茎の繊維は細くて強く、衣服の原料としても重要でした。
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         【大麻の実(写真)】

ところで、中国の「広西壮族自治区巴馬県」はユネスコでも認定された長寿村として有名ですが、長寿村を中国では「長者村」と呼びます。

『くっきんぐるうむ』に載った三成由美さんの詳細で簡潔なレポートによると、中国南西部の広西巴馬県は、
「海抜は400~600メートルで、石灰岩のカルスト地形の奇岩の山々は独特で、山間の谷間、窮地が点在し、長寿者はこの渓谷河畔地域に住んでいる。交流が不便で、外界との接触もなく、自然に閉鎖的な状態になっている。」と、記されています。

2009年4月時点で、この閉ざされた山間郷に、100歳以上の長寿者が81人もいて、人口に対する長寿率は、まぎれもなく世界一だそうです。NHKの「プレミアム8〈紀行〉世界一番紀行」という番組でも紹介されたそうなので、ご覧になった方もおられるかもしれませんね。

私が注目するのは、長寿者の食生活・習慣です。

最近のアンチエイジングの研究では、長寿の要件は75%が遺伝要因ではなく、環境要因によるものだそうです。その環境要因には、先ず食事と運動と生き甲斐が重要であるとされています。
食事が重要なのは、何しろヒトの体は、その食べた物でできているのですから。

広西巴馬県の長寿者の食生活・習慣で重要な点は、
(1)毎食はトウモロコシやお米のお粥が主食である。
  旬の雑穀(豆粉や火麻仁粉など)がお粥に加えられ、茶碗に1-2杯の7分粥が食されており、副食に季節の山野菜や薬草を少量の油(火麻仁油や大豆油)で塩と水を加えて、鍋で炒める簡単な料理が添えられる。
(2)1日の平均的な摂取カロリーを計算してみると、約1000kcal程度と少食であった。
(3)規則的な労働を尊ぶ風習と環境に適合した生活習慣が厳格に守られている。
(4)恵まれた自然環境(湧き水を飲水としたり、澄んだ空気やマイナスイオンの影響、年間を通して18-21℃の過ごしやすい気候など)にある。

長寿村の立地上の条件も大きいでしょうが、特に注目なのは、主食のお粥習慣で、胃腸に負担が少なく、消化酵素の生成と働きを有効に抑えられる無駄の少ない食習慣と言えるでしょう。
また、1日の平均摂取カロリー量が約1000kcalというのは、少食とも言えるでしょうが、規則的な豚の世話や農軽作業と共に、結果的には食と運動のバランスが取れた好習慣と言えるでしょう。

長寿者の殆どは現役で働いており、寝たきりの老人は見当たらないのだそうです。
日本での100歳以上の長命者の約半数が寝たきりだったり、認知症を患っており、活動的な老人が23%ほどでしかないのとは、対照的と言えるでしょう。

また、食事の中で注目の食材は「火麻仁」でしょう。
この火麻というのが、先に話題にした大麻のことです。「仁」は、実(種子)のことです。
亜麻仁油の「アマ」と間違えられることもあるようですが、火麻仁はアサ(麻)科の1年草の実です。
広西巴馬県の長寿者は、幼少の頃から、この火麻仁をお粥に加えたり、スープで飲んだり、野菜炒め油などとして常食していることが大注目されています。

ここでも「相関関係から因果関係を導き出す」ような努力が、盛んに行われています。

まず、火麻仁に含まれる植物由来の抗酸化物質の探索です。大麻の実には「カンナビシンA」というポリフェノール系の抗酸化物質が、その実に0.343%程度含まれるそうです。
カンナビシンには、AからGまで数種類があるようですが、抗酸化力が強く活性酸素の働きを抑え、抗ガン作用も認められるそうです。
また、えごま油と同様に、細胞膜や細胞間の免疫機能を活性化し、生理活性情報の伝達物質にもなっている必須脂肪酸が80%程度含まれており、n-6系(オメガ6)の不飽和脂肪酸であるリノール酸とn-3系(オメガ3)の脂肪酸であるα-リノレン酸が3対1の割合でバランス良く含まれているそうです。

ちなみに、えごま油との比較でいえば、えごまに含まれる抗酸化物質には「ルテオリン」という天然の添加物があり、必須脂肪酸の含有に関しては、えごま油にはn-3系(オメガ3)のα-リノレン酸が60-65%以上、n-6系(オメガ6)のリノール酸が13-14%程度含まれています。


以上、見てきたとおり、日本列島でも古来より、ジュウネンと呼ばれる「えごま」や大麻の実(火麻仁)が、その栄養価の高さから貴重な食材として栽培され、食料として欠かせないものでした。日本各地の遺跡から見つかる種子(実)の化石がそのことを如実に物語っています。
こうした貴重な食材は、現在でも、もっと見直されても良いはずです。
しかし、火麻仁には大麻を取り締まる厳しい法律があり、一般化はなかなかに難しいようです。


ところで、分子生物学の分野では、近年「長寿」やアンチエイジングの関連で、テロメア研究が盛んです。
テロメアとは、細胞内の染色体の末端にあり、細胞分裂でDNA複製が行われるたびに短縮されるため、細胞寿命時計とか老化時計と呼ばれます。人の正常体細胞は無限には分裂できず、テロメアが一定の長さ以下になると分裂は停止されてしまいます。すなわち、加齢と共にテロメアは短小化していき、限度(50-70回といわれる)に達すると「老化」となるわけですね。
そして、1980年代頃よりテロメアの長さを修復・維持する特殊な体内酵素「テロメラーゼ」が発見されました。

俄然、テロメアと「テロメラーゼ」との関連や応用が注目されることになりましたが、さしたる成果にはつながっていないようです。
生殖細胞やガン細胞などを除いて、一般の生体細胞ではテロメラーゼの活性は抑えられており、この酵素の働きを制御することで生体細胞のテロメア末端の修復やガン細胞の短命化が期待されているのです。

しかし、未だ課題も多くあり、実現には時間もかかるようです。

この夢のような技術と特効薬の出現を待つ間に、座して待つのではなく、ひとまず私たちはえごま油=ジュウネンを常食することで、10年程度の延命を実行する方策に打って出る、のが得策なのではないでしょうか?
皆さんのお考えはどうですか?


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コメント 1

hiro

えごま油は前からカラダにいいと聞いて
気になっていたのですが、本当なんですね^^

摂りいれていこうと思います

役立つためになる情報をありがとうございます☆
by hiro (2012-06-14 22:42) 

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