えごま油の素朴な疑問・質問 Q&A (18) [健康と食習慣]

えごま油ファンです。アレルギーやアトピーに対する効果を期待しています。間違っていませんか?】(神奈川県横浜市 女性Tさん)


[ひらめき]
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現在は、各種アレルギーやアトピー性疾患、花粉症などの過敏症は、現代病として深刻度を増しています。
そして、疾病に伴う社会的、経済的な損失も無視できないレベルに達しています。
どうして、これ程までに免疫系の疾病が蔓延してきているのでしょうか。


そもそも、私たちの免疫系は、異物(アレルゲン)に対して「非自己」を認識した自己防衛機制が、拒否・攻撃・排除に働くことで、身体を守ることに本意があります。

ところが、アレルギーでは、体外からのアレルゲン(抗原)に対してIgE抗体が大量に産生されることで、結果的に、喘息やクシャミ、鼻水、皮膚の痒みや疱疹、吐き気や下痢など、様々な不快で不利益な生体現象が発現します。

しかしながら、良く考えると、異物(アレルゲン)に対して、喘息は呼吸を困難にしてまでも吸い込むことを拒否する行為であり、過剰な涙や鼻水の分泌は洗い流す行為であり、大きな連続的なクシャミは体外に吐き出す行為であり、触れただけで腫れ物に触るほどの苛立つ発疹や痒みは感染物からの防御の発露であるし、嘔吐や下痢も異物排泄の行為と理解され、いずれも身体を異物(アレルゲン)から守る身体防護機能の発現でもあります。それを私たちは、勝手に「不快だ、不利益だ」と言っているのです。


このIgE抗体の産生の大まかな仕組みを簡単に述べます。

まず、体外からの異物(アレルゲン)の進入によって、人の粘膜近辺で捕捉・消化されて抗原提示によって、ヘルパーT細胞(Th2型細胞)が分化・増殖することで免疫反応が開始されることになります。
この抗原を発見したT細胞は、直ちにIL-4,IL-5,IL-6などのサイトカイン(活性物質)を放出し、実働部隊のB細胞にIgE抗体の合成を指示することになります。

こうして作られたIgE抗体は、気道や粘膜近在の肥満細胞や血中の白血球(好塩基球)の受容体に結合すると、細胞内に貯め込まれていたアミン化合物であるヒスタミンやセロトニンなどの顆粒状物質が分泌・放出され、皮膚、気管支、粘膜細胞などに働いて拒否・排除の反応であるアレルギーが発動されます。

また、上記反応に呼応してエイコサノイドと呼ばれるロイコトリエンやプロスタグランジン、トロンボキサンが新たに合成・分泌されると、長時間にわたって平滑筋や気管支の激しい収縮、毛細血管の拡張・血液漏洩、目や鼻腔から涙や鼻汁が外分泌されます。
喘息の発作では、強い吸気を吐き出すことが出来なくなり、食物アレルギーではアナフラキシーショックが起これば、死に至るような事態にもなりかねません。


ヘルパーT細胞が抗体である免疫グロブリンのIgEの生成を指示しますが、IgEは、もともと血清中では、ごく微量に存在する抗体です。
ヘルパーT細胞には、IgEの産生に関連するTh2型のほかに、IgGなどの産生に関わるTh1型があることが知られています。一方、Th1型のT細胞は、細菌やウイルス感染に対応していますが、病原微生物の進入に対応して作られる抗体であるIgGと比較しても、10万分の1以下と、圧倒的に微量な成分なのです。

その理由は、IgEが比較的無害なタンパク質抗原に対応しているからだ、と考えられています。
なんと言っても人類は、何万年もの間、ペストや天然痘など生存を脅かす伝染病の大流行にも耐えて生き延びてきたのですから、免疫系にとってはヘルパーT細胞のTh1型細胞の産生するIgG抗体などの存在価値の方が重要であったわけでしょう。

さらに、ヘルパーT細胞のTh2型細胞は、IL-4やIL-5、IL-6のほかにIL-10というサイトカインを造り出しますが、IL-10はTh1型T細胞の分化・増殖を抑えることが知られています。逆に、Th1型細胞が造り出すγインターフェロンは、Th2型細胞の分化・増殖を抑制します。相互牽制や相互抑制関係が見いだされます。


食品アレルギーについての質問に、『えごま油の素朴な疑問・質問 Q&A (15)』でも回答した通り、日本の戦後の大きな人為的環境変化(浄化など)と日本人の栄養状況の改善等に伴って、本来細菌等の感染症に対処するために口腔や上気道に配置されていたTh1型のT細胞は、活動の場所と機会が狭まり、徐々に辺地に押しやられ、代わりにTh2型のT細胞が優位な位置を獲得してきたのだ、と考えられます。
その結果、IgE抗体が必要以上に大量に作られ、アレルゲンに過敏に反応するようになったのでは、と考えられるのです。

極端なアレルギー事例の場合は、一連の免疫反応をスルーしたりバイパスして、アレルゲンの特定も明確でないままIgEや、その先の肥満細胞を直接刺激して、ヒスタミンなどの顆粒状物質の分泌・放出が行われるケースもあるのではないか、と疑われています。


アレルギー体質のことをアトピーといいますが、語源は「場違いな反応」という意味のギリシャ語に由来します。
まさに、一旦異物(抗原)の進入によってアレルギー体質が出来てしまえば、困ったことに、場違いで不寛容な刺激反応が過敏に、次々に引き起こされ、人はアレルギーの暴走に手を拱いているばかりで、ただ不寛容な振る舞いを傍観するばかりです。


また、アレルギー体質には、発現の仕方とその症状で個人差が顕著です。ある人では喘息がひどく、また別の人では皮膚炎を発症するという異なった場所がアレルギーの発症の場となります。


アレルギー体質の人には、遺伝的要因が関連しているとも言われます。
免疫抑制遺伝子というものがあり、この遺伝子の欠損が、一部の免疫抑制をフリーとしているので、IgE抗体が必要以上に作られやすくなっており、従ってアレルギーが発現しやすくなる、というのです。
また、アトピーの遺伝子は母親経由で子どもにアトピー素因を伝える、とも言われています。
こうした要因が、アレルギーについての個人差を生んでいるのかもしれません。


いずれにしても、アレルギーは現在になって顕著になった免疫反応に基づく疾病であり、がんやエイズ、サーズ、狂牛病、鳥インフルエンザなどと同様に、人類がはじめて遭遇する未解決の疫病だといえるでしょう。
ヒトが経験してきた数々の疫病の記憶と経験を、改めて振り返らせるものです。

敢えて悠長なことを言うようですが、アレルギー解決の方法があるとすれば、それは抗ヒスタミン剤のような有効薬剤の開発・使用によるものではなく、宿主と寄生疫種との微妙なバランスの上での共存の道を探るような過程を模索することではないか、と思われます。
抗免疫剤やステロイド剤、抗ヒスタミン剤の多用は、かえって免疫反応機序を益々過敏にするわけですから。



さて、質問者への回答になります。

シソ科植物の種子(実)を搾った「えごま油」に60%以上含有されるn-3系(オメガ3)の多価不飽和脂肪酸であるα-リノレン酸や抗酸化物質(ルテオリン)は、アレルギー症状の緩和には大変効果があります。

まず、主成分のα-リノレン酸は、必須脂肪酸です。「体内の脂肪は食べた脂肪酸で決まる」といわれます。
私たちの約60兆個の細胞は日々作り替えられており、その細胞膜のリン脂質を形成しています。
日々私たちの身体は、α-リノレン酸という脂肪酸を必要としているのです。

また、体内に取り込まれたα-リノレン酸は、様々な代謝酵素の力を借りて、まずEPA(エイコサペンタエン酸)に代謝されて、一部は更にDHA(ドコサヘキサエン酸)に代謝されます。また一部はトロンボキサンやロイコトリエンといったエイコサノイドといわれる生理活性物質に代謝されていきます。α-リノレン酸がEPAから最終的にDHAへ代謝される効率は10-15%だと言われますから、日々の意識的な補給が重要です。

こうした細胞内で働く生理活性物質はプロスタグランジン(PG)と呼ばれ、血小板や白血球や臓器の筋機能、生理機能を刺激・活性して、たとえば鼻粘膜などの血管収縮や拡張を抑制したり、平滑筋などの収縮を抑えたり、血液凝集等を制御するグループ(G3)に属します。
結果的に、アレルギー反応の過剰な活性作用のブレーキ機能=抑制に関与します。


また、一方えごま油にも13%程度含まれるリノール酸は、n-6(オメガ6)系多価不飽和脂肪酸で、体内では酵素による代謝の過程でγリノレン酸からトロンボキサンやアラキドン酸が産生されますが、いまアラキドン酸がアレルギー原因物質だ、と犯人扱いされています。
また、アラキドン酸の一部は白血球内でロイコトリエンという化学伝達(生理活性)物質に代謝・生成されますが、アナフラキシーショックや、ヒスタミンと同様にアレルギー性鼻炎を引き起こす物質の一つと同定されています。こちらのロイコトリエンは、α-リノレン酸から代謝されるものとは別グループのエイコサノイドです。

リノール酸から代謝・産生されるアラキドン酸由来のPGやトロンボキサン、またロイコトリエンは、アラキドン酸カスケードを経て代謝されますが、決してアレルギーを引き起こす悪い物質と見なされるのではなく、アレルギーに関わる生理活性物質だったり、活性伝達物質です。
α-リノレン酸と同様人体の細胞内で働くホルモン様(よう)の生理活性にとって大変重要な物質ですし、共に私たちの細胞膜を形成する重要な成分です。

ただ、アラキドン酸の過剰産生は、α-リノレン酸の代謝後の役割とは反対で、アレルギー反応の過剰な活性を促進するアクセル機能に主に関与しています。

α-リノレン酸とリノール酸とは、いわばコインの表裏のような関係で、互いに交代できない関係なのです。

そして、今重要なことは、α-リノレン酸の摂食量は過少であり、リノール酸の摂取量は極端に過剰なのです。
アレルギー反応の緩和を望まれるのであれば、n-3系対n-6系脂肪酸の摂取比率は、教科書的な摂取基準である「1:4」ではなく、私が主張したい理想の比率「1:3」程度にチャレンジして欲しいものです。


今回も話が長くなってしまいました。
ここら辺で終わります。


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breitling クロノマット

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by breitling クロノマット (2014-06-28 22:13) 

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